ネットワーク設定

より高度な TCP/IP 設定で DNS が確実に名前解決できるようにする
IBM(R) Lotus Domino(R) Server に TCP/IP 用の IBM(R) Lotus Notes(R) ネットワークポートが複数設定されている場合は、次の手順を実行して、DNS で確実にサーバー名をアドレスに名前解決できるようにします。ここでは、次のような設定について説明します。 独立したネットワーク経由のサーバーアクセスについて詳しくは、「クラスタ専用 LAN を設定する」の項目を参照してください。

異なる DNS サブドメインのユーザーが 1 台の Lotus Domino Server にアクセスする場合
ユーザーが 2 つの分離されたネットワークにいて、Lotus Domino Server にそれぞれのネットワーク用の NIC がインストールされている場合は、DNS を使用して、ユーザーを該当する NIC に接続します。

1 DNS に A レコード (IPv6 の場合は AAAA レコード) を作成し、それぞれの NIC に別々の IP アドレスを割り当てます。この IP アドレスで ping コマンドを実行し、NIC が応答するかどうかテストします。


2 Lotus Domino Server に対して DNS に CNAME レコードを 2 つ作成し、サーバーの共有名を A レコードに指定したそれぞれの NIC 名にリンクします。Lotus Domino Server 用の CNAME レコードを使用すると、サーバーの名前解決とは別に、ネットワークパスをテストするための診断精度が利用できます。

3 Lotus Domino で、TCP/IP 用の 2 つ目の Lotus Notes ネットワークポートを追加します。

4 該当する NIC の IP アドレスに各 TCP/IP ポートをバインドします。サーバーコンソールで、どちらの TCP/IP ポートもアクティブで、正しい IP アドレスにリンクされていることを確認します。

5 サーバー文書の各 TCP/IP ポートに対する [ネットアドレス] フィールドに、FQDN ではなく、サーバーの共通名だけを指定します。

6 各 Lotus Notes Client で、ユーザーの DNS 名前検索範囲を正しい DNS サブドメインに設定します。

例
Acme 社で、一部のユーザーは Ethernet ネットワーク経由で Chicago/Sales/Acme という Lotus Domino Server に接続し、他のユーザーは Token Ring ネットワーク経由で接続するものとします。Lotus Domino Server を DNS に登録する際、Ethernet ネットワーク上のユーザーに対しては chicago.east.acme.com として登録し、Token Ring ネットワーク上のユーザーに対しては chicago.west.acme.com として登録します。

1 サブドメイン east.acme.com に対して、DNS の SOA (start of authority) テーブルに次のエントリを作成します。
chi-ethernetA10.20.20.2
chicagoCNAMEchi-ethernet
2 サブドメイン west.acme.com に対して、DNS の SOA テーブルに次のエントリを作成します。
chi-tokenringA10.10.10.1
chicagoCNAMEchi-tokenring
3 最初からある TCP/IP 用の Lotus Notes ネットワークポートの名前を TCPIP1 に変更し、2 番目のポートを TCPIP2 とします。

4 NOTES.INI ファイルを使用して、TCPIP1 を Ethernet ネットワーク用の IP アドレスに、TCPIP2 を Token Ring ネットワーク用の IP アドレスにバインドします。

5 サーバー文書の各 TCP/IP ポートに対する [ネットアドレス] フィールドに、chicago と入力します。

6 Ethernet ユーザーのクライアントで DNS の名前検索範囲を east.acme.com に設定し、Token Ring ユーザーのクライアントでは west.acme.com に設定します。

ユーザーからサーバーへのアクセスとサーバー間のアクセスが別々の DNS サブドメイン経由で行われる場合
ユーザーは LAN 経由で Lotus Domino Server にアクセスし、他の Lotus Domino Server は WAN 経由でこのサーバーにアクセスする場合は、サーバーに 2 枚目の NIC を追加します。そして、DNS を使用して、ユーザーは LAN 用の NIC に、他のサーバーは WAN 用の NIC に接続します。

1 DNS に A レコード (IPv6 の場合は AAAA レコード) を作成し、それぞれの NIC に別々の IP アドレスを割り当てます。この IP アドレスで ping コマンドを実行し、NIC が応答するかどうかテストします。


2 Lotus Domino Server に対して DNS に CNAME レコードを 2 つ作成し、サーバーの共有名を A レコードに指定したそれぞれの NIC 名にリンクします。Lotus Domino Server 用の CNAME レコードを使用すると、サーバーの名前解決とは別に、ネットワークパスをテストするための診断精度が利用できます。

3 Lotus Domino で、TCP/IP 用の 2 つ目の Lotus Notes ネットワークポートを追加します。

4 該当する NIC の IP アドレスに各 TCP/IP ポートをバインドします。サーバーコンソールで、どちらの TCP/IP ポートもアクティブで、正しい IP アドレスにリンクされていることを確認します。

5 Lotus Domino Server の最初のアウトバウンド接続をサーバー間のネットワークに接続するには、NOTES.INI ファイルの PORT 設定を次のように編集します。


6 サーバー文書の最初の TCP/IP ポート (ユーザーが使用するポート) に対する [ネットアドレス] フィールドに、サーバーの共通名とユーザーの DNS サブドメインを使用して FQDN を入力します。
7 サーバー文書の 2 番目の TCP/IP ポート (サーバーが使用するポート) に対する [ネットアドレス] フィールドに、サーバーの共通名とサーバーの DNS サブドメインを使用して FQDN を入力します。
8 各ユーザーの DNS 名前検索範囲を正しい DNS サブドメインに設定します。

9 各サーバーの TCP/IP スタックで、DNS の名前検索範囲を正しい DNS サブドメインに設定します。

例
Acme 社で、ユーザーは LAN 経由で BostonApp04/Sales/Acme という Lotus Domino Server に接続し、他のサーバーは WAN 経由でプライベートにこのサーバーにアクセスするものとします。サーバーを DNS に登録する際、LAN ユーザーに対しては bostonapp04.boston.acme.com として登録し、WAN 経由のサーバー間ネットワークに対しては bostonapp04.domino.acme.com として登録します。

1 サブドメイン boston.acme.com に対して、DNS の SOA テーブルに次のエントリを作成します。
usr-bostonapp04A103.210.20.2
bostonapp04CNAMEusr-bostonapp04
2 サブドメイン domino.acme.com に対して、DNS の SOA テーブルに次のエントリを作成します。
srv-bostonapp04A103.210.41.1
bostonapp04CNAMEsrv-bostonapp04
3 最初からある TCP/IP 用の Lotus Notes ネットワークポートの名前を TCPIP1 に変更し、2 番目のポートを TCPIP2 とします。

4 NOTES.INI ファイルを使用して、TCPIP1 をユーザーネットワーク用の IP アドレスに、TCPIP2 をサーバー間ネットワーク用の IP アドレスにバインドします。その後、PORT=TCPIP2, TCPIP1 という設定を追加します。

5 サーバー文書のポート TCPIP1 に対する [ネットアドレス] フィールドに bostonapp04.boston.acme.com と入力します。ポート TCPIP2 に対しては bostonapp04.domino.acme.com と入力します。

6 各ユーザーのクライアントで、DNS の名前検索範囲を boston.acme.com に設定します。このサーバーに接続する必要があるサーバーの TCP/IP スタックで、名前検索範囲を domino.acme.com に設定します。

関連項目