MAIL
2 つの非隣接ドメイン間には直接接続がないため、これら 2 つのドメイン間に接続文書で配信パスを定義することはできません。接続文書は、直接接続されている隣接ドメイン間にのみ使用できます。ただし、非隣接ドメインのユーザー同士は、中間ドメインを経由して配信するとメールを送信できます。
これを実行する 1 つの方法として、明示的なアドレス指定があります。[アドレス] フィールドに完全な配信パスを入力して、中間ドメインを経由して宛先のドメインに配信する方法をルーターに指示します。たとえば、ドメイン A の Kathy Burke から非隣接ドメイン C の Robin Rutherford にメッセージを送信する場合、次に示すように、メッセージにドメイン B を経由したアドレスを指定します。
明示的なアドレス指定は、ドメイン間の配信トポロジーの完全な情報に基づいているため、非隣接ドメインにメールを配信するための効果的な方法ではあっても、あまり実用的な解決法ではありません。一般的なユーザーにとって、この情報はいつでも使用できるものではありません。非隣接ドメインへの配信とアドレス指定を簡単にするには、Domino ディレクトリに非隣接ドメイン文書を作成して、非隣接ドメイン間の経路を定義します。
非隣接ドメイン文書を使用するシステム管理者は、非隣接ドメイン文書を作成して、非隣接ドメインへのメッセージ配信を制御できます。非隣接ドメイン文書には次の 3 つの機能があります。
ただし、非隣接ドメイン文書が使用できる場合、ルーターはこの文書から中間ドメインに関する情報を取得します。これによって、ユーザーは非隣接ドメインへメールを送信する際に複雑な明示的アドレス指定を使う必要がなくなります。つまり、ドメイン A にドメイン C の非隣接ドメイン文書がある場合、ドメイン A の Kathy Burke がドメイン C の Robin Rutherford にメールを送信する際には、Kathy Burke は Robin Rutherford@C@B ではなく、Robin Rutherford@C というアドレスを使用します。ルーターは非隣接ドメイン文書から中間ドメインに関する情報を取得するため、メッセージはドメイン B を経由してドメイン C に正常に転送されます。
非隣接ドメイン文書を使ってメールを制限する非隣接ドメイン文書を使うとアドレス指定が単純化されるので、それだけでも十分に使用価値があります。ただし、非隣接ドメイン文書は同じように有意義な別の役割も果たします。非隣接ドメイン文書は、非隣接ドメイン間の配信を有効にするために必ずしも必要なものではありませんが、一定のドメインからのメッセージの配信を制限する場合は必要です。 デフォルトでは、特定のドメインにメールを配信できるドメインは、非隣接ドメイン文書に指定されている宛先のドメインにメールを配信することもできます。あるドメインから別のドメインに特定のドメインを経由してメールが配信される場合、そのメールは特定のドメインのネットワークリソースを消費します。自分のサーバーが他のドメイン間のメール転送に使用されるのを防ぐために、メールが自分のドメインを経由して配信されるのを許可したり拒否したりできます。
非隣接ドメイン文書の [制限] タブの [許可] フィールドと [拒否] フィールドを使うと、他のドメインから非隣接ドメインへのメッセージのフローを制御できます。これらのフィールドのエントリは、隣接ドメインの名前でなければなりません。ルーターは、直前の中継点より前の非隣接ドメインのエントリは無視します。特定のドメインから自分のドメインを経由してメールが送信されないように指定すると、ルーターは、特定のドメインから受信するメールをすべて拒否するようになります。特定のドメインが別の非隣接ドメインからのメッセージを回してきた場合も拒否します。
非隣接ドメイン文書の [次のドメインからのメールを拒否] フィールドでは、明示的なドメインアドレス指定、つまり配信パス上のドメインそれぞれを明示的に指定するアドレスを使うメッセージはブロックされません。非隣接ドメイン文書は、指定されていない中間ドメインの名前を指定する非隣接ドメイン文書内の情報に依存するメールのみブロックできます。配信パス全体が受信者のアドレスに含まれる場合、ルーターは非隣接ドメイン文書を調べてメッセージの配信先を判別する必要がないので、そのメッセージはブロックできません。たとえば、上記の例では、ドメイン B のシステム管理者はドメイン D について非隣接ドメイン文書を作成し、[次のドメインからのメールを拒否] フィールドにドメイン A を追加します。それでもドメイン A の Kathy Burke は、以下の明示的なドメインアドレスを指定すれば、ドメイン D の Judy Kaplan にメールを送信できます。Judy Kaplan@D@C@B
Kathy Burke がこのメッセージを送信できないようにするには、ドメイン B のシステム管理者はドメイン C について隣接ドメイン文書を作成して、[次のドメインからのメールを拒否] フィールドにドメイン A を指定する必要があります。
[許可] フィールドと [拒否] フィールドの設定は、サーバー設定文書の [ルーター/SMTP] - [制限と制御] - [制限] タブの [許可] フィールドと [拒否] フィールドと連動します。これらの設定間で矛盾が生じた場合、Lotus Domino は最も制限の厳しいエントリを適用します。
配信パス上のドメイン間に設定されている隣接ドメイン文書、非隣接ドメイン文書、サーバー設定文書によって、メッセージがさらに制限される場合があります。
非隣接ドメイン文書を作成するには 1 Lotus Domino Administrator で [設定] タブをクリックし、[メッセージング] セクションを展開します。
2 [ドメイン] を選びます。
3 [ドメインの追加] をクリックして新しいドメイン文書を作成します。
4 [基本] タブで、次のフィールドを設定します。
また、中間ドメインの Domino ディレクトリには、送信先ドメインへの接続文書が必要です。
すべてのドメインがローカルドメインから非隣接ドメインにメールを配信できるようにする場合は、このフィールドを空白にします。
メモ 定義によって、特定ドメインのすべてのサーバーで同一の Domino ディレクトリが使用されるため、非隣接ドメイン文書は非隣接ドメインごとに 1 つだけ必要です。サーバーごとに別々の文書を作成する必要はありません。
関連項目