LOTUS NOTES CLIENT のインストールと SMART UPGRADE


アップグレードキットを Lotus Notes Smart Upgrade データベースに追加する
IBM(R) Lotus(R) developerWorks (http://www.lotus.com/ldd/smartupgrade) から提供されているアップグレードキットをダウンロードできます。キットをダウンロードしたら、Smart Upgrade データベースにキット文書を作成した後、キットをキット文書に添付するか、ユーザーがアクセスできる共有ネットワークドライブ上のディレクトリにキットを格納して、ユーザーがキットを利用できるようにします。ユーザー用に Smart Upgrade をセットアップする際には、Smart Upgrade のキット文書にキットの場所を指定してください。IBM(R) Lotus Notes(R) Client のみをアップグレードするか、すべてのクライアントをアップグレードするためのアップグレードキットを用意できます。

Smart Upgrade のキット文書にキットを添付する場合は、各文書にキットを 1 つだけ添付してください。

Smart Upgrade キットの認識Smart Upgrade には、Smart Upgrade キットの認識機能が含まれています。 Lotus Notes Client 専用キットと Allclients キットのどちらをインストールするか、ユーザーごとに指定できます。Lotus Notes Client または全クライアントのインストールまたはアップグレードが実行されるたびに、インストーラによって NOTES.INI ファイル内の InstallType= 設定の値が設定されます。Smart Upgrade は、Smart Upgrade キット文書内のインストールタイプ値と NOTES.INI ファイル内の InstallType フィールドを比較し、NOTES.INI ファイルに指定されたインストールタイプと一致するアップグレードキットをインストールします。Smart Upgrade の認識機能を使用すると、クライアントインストールタイプの異なる複数のコンピュータを使用しているユーザー (つまり、Lotus Notes Client のみを実行するコンピュータと、全クライアントを実行するコンピュータの両方を使用しているユーザー) を容易にアップグレードできるようになります。このようなユーザーに対しては、Smart Upgrade を使用して両方のコンピュータをアップグレードできます。
メモ IBM(R) Lotus Domino(R) 6.5.5 以前のバージョンのクライアントでは、ユーザーあたり (つまり対象バージョンあたり) 1 つの Smart Upgrade キットしか使用できません。複数のリソースキット (つまり、Lotus Domino 6.5.5 より前のリリースに対して Lotus Notes Client 専用キットと全クライアント用キットの両方) を設定しようとすると、Smart Upgrade データベース内でそのユーザーに対して重複するキットが検出されたことを示すエラーメッセージが表示され、Smart Upgrade が失敗します。

Smart Upgrade の認識機能は、1 つのインストールタイプ (たとえば Lotus Notes Client のみ) を同じインストールタイプの新しいリリースにアップグレードします。Smart Upgrade を使用して Lotus Notes Client のみのインストールを行った後で、同じコンピュータ上の同じユーザーに対して全クライアントのインストールを実行することはできません。インストールタイプを変更する場合は、手動でクライアントを必要なインストールタイプにアップグレードする必要があります。

Macintosh オペレーティングシステムを使用している場合、[インストールタイプ] フィールドは修正できず、[Notes Client のみ] に設定されています。

NOTES.INI の InstallType= の設定では、次の値を使用できます。


メモ Lotus Notes Domino 7.0 以降では、Smart Upgrade キットは英語とその他の言語 (ランゲージパック) で使用できます。

アップグレードキットの追加 1 Lotus Domino Administrator で、作成した Lotus Notes Smart Upgrade データベースを開きます。
2 [新規キット] をクリックして、キット文書を作成します。

3 [基本] タブで、次のフィールドに必要な情報を設定します。
フィールド項目操作内容
キットの説明キットの簡単な説明を入力します。この文書の完成後は、このキット説明を使用して Smart Upgrade のキット文書が識別されます。
このキットの有効化[有効] チェックボックスをオンにして、権限のあるユーザーがキットを使用できるようにします。
Configuration次のいずれかを選択します。
  • Lotus Notes Standard -- Lotus Notes の「標準」設定を実行しています。つまり、Lotus Domino Server と IBM(R) WebSphere(R) Portal サーバーの両方でアプリケーションにアクセスできます。
  • Lotus Notes Basic -- Lotus Notes の「基本」設定を実行しています。つまり、Lotus Domino Server 上にあるすべてのサーバーベースのアプリケーションにアクセスできます。
対象バージョン現在の Lotus Notes Client のリリースを入力するか、一連の Lotus Notes Client のリリースを入力できます。

対象バージョンの入力時に受け入れ可能な形式については、「Smart Upgrade キット文書と併用するための式のルール」を参照してください。

メモ 現在の Lotus Notes Client リリース番号を探すには、[バージョン情報] 文書をチェックします。この文書を開くには、[ヘルプ] - [バージョン情報] を選択します。

オペレーティングシステムキットが使用するオペレーティング システムを入力または選択します。
地域キットの使用言語を入力または選択します。
Release 6.5.4/6.0.5 以前のリリースこのフィールドは、Microsoft Windows を使用している場合にのみ表示されます。Lotus Notes Domino Release 6.5.4、6.0.5、またはそれ以前を使用している場合は、このチェックボックスをオンにしてください。Smart Upgrade は、これらのリリースに対して全クライアントのインストールと Lotus Notes Client のインストールのどちらが適用されるかを認識しません。

[インストールタイプ] フィールドは、このボックスがオフの場合にのみ表示されます。

インストールタイプ次のいずれかを選択します。
  • [Notes Client のみ] -- Lotus Notes Client キットのみがインストールされます。
  • [すべてのクライアント (Notes Client、Domino Administrator、Domino Designer)] -- 全クライアント用のキットがインストールされます。
アップグレード後のバージョンアップグレードキットのリリース番号を入力します。

このフィールドの値は、デスクトップポリシー設定文書の [デプロイバージョン] フィールドと一致する必要があります。

更新後に再起動アップグレードの完了時に、ユーザーがアップグレードした Lotus Notes Client を再起動するには、[再起動] チェックボックスをオンにします。
場所次のいずれかを選択して、アップグレードキットの場所を指定します。
  • [添付する] -- このオプションを選択した場合は、[アップデートキットを添付] フィールドでアップグレードキットかフルインストールキットを添付します。
  • [共有ネットワークドライブ上] -- このオプションを選択した場合は、[アップデートキットのフルパス] フィールドに SETUP.EXE ファイルまでのファイルパスを入力します。共有ネットワークドライブのオプションを使用する場合は、ファイルを解凍して、インストールキットにあるすべてのファイルを指定のディレクトリにコピーします。次の規則に従ってください。
    \\networkfileservername\shareddirectoryname\setup.exe
  • [共有ネットワークドライブと添付] -- このオプションを選択した場合は、Smart Upgrade キットが含まれている添付ファイルを選択し、SETUP.EXE ファイルまでの完全なファイルパス名を入力します。[共有ネットワークドライブと添付] オプションには両方の情報フィールドが表示されます。Smart Upgrade のプロセスでは、「フルパスキット」が使用可能かどうかがチェックされます。フルパスキットが使用可能な場合は使用され、使用できない場合は添付のキットが使用されます。
アップデートキットを添付アップグレードキットかフルインストールキットを添付します。文書にダウンロードした EXE ファイルを解凍せずに添付してください。Lotus Domino 6.5.5 以降を使用している場合は、Lotus Notes Client 専用キットと全クライアント用キットのどちらでも添付できます。
共有ネットワークドライブキットのオプション引数共有ネットワークキットを指定する場合のオプション引数を入力します。オプション引数については、「Smart Upgrade 実行時にオプション引数を使用する」の項目を参照してください。
メッセージテキストLotus Notes Smart Upgrade がユーザーに Lotus Notes Client をアップグレードするよう促す際に表示されるメッセージを入力します。
添付キットのオプション引数添付のキットを使用する場合のオプション引数を入力します。オプション引数については、「Smart Upgrade 実行時にオプション引数を使用する」の項目を参照してください。
4 [管理] タブの次のフィールドに必要な情報を設定します。
フィールド項目操作内容
使用可能なユーザーとサーバーLotus Notes Client へのアップグレードを許可されたユーザーかサーバーを、入力または選択します。組織のすべてのユーザーが含まれるようにするには、次の形式で値を入力します。

*/OrgUnit/Organization/CountryCode

メモ これは「読者」フィールドなので、このフィールドに値を入力する際には、このフィールドに LocalDomainServers も追加してください。このフィールドの入力内容に LocalDomainServers が含まれていない場合は、ドメイン内の他の Lotus Domino Server にキットが複製されません。

所有者この文書を所有しているユーザーを入力または選択します。
管理者この文書を管理しているユーザーを入力または選択します。
備考(省略可能) この文書の更新履歴などのコメントを入力します。
5 [保存して閉じる] をクリックします。

6 デスクトップポリシーを作成してアップグレードキットを導入します。

Smart Upgrade キット文書と併用するための式のルールユーザーの Lotus Notes Client のリリース番号と、Lotus Notes Smart Upgrade データベースのキット文書の [対象バージョン] フィールドで指定されたリリース番号とを比較します。キット文書の [対象バージョン] フィールドにリリース番号を入力する際は、次の表に示された任意の式のルールを使用できます。
メモ 次の表に記載される式のルールは、Smart Upgrade のキット文書の [対象バージョン] フィールドにのみ使用してください。
文字説明
任意の文字、たとえば C任意の単一の非特殊文字に一致します。この例では、C に一致します。
\C特殊文字であっても単一文字に一致します。この例では、C に一致します。
?任意の単一文字に一致します。
{ABN}セット (A,B,N) の任意の文字に一致します。
{!ABN}セット (A,B,N) 以外の任意の文字に一致します。
{A-FH-K}セット (A...F,H...K) の任意の文字に一致します。
+Cパターン C の任意の数のオカレンスに一致します。
*任意の文字列に一致します (? の省略表現)。
!このテンプレートの論理的な意味を補足します。
|2 つのテンプレートの論理的な「or」を実行します。
&2 つのテンプレートの論理的な「and」を実行します。

ユーザーの Lotus Notes Client のリリース番号と、Lotus Notes Smart Upgrade データベースのキット文書の [対象バージョン] フィールドで指定されたリリース番号とを比較します。キット文書の [対象バージョン] フィールドにリリース番号を入力する際は、次の表に示された任意の式のルールを使用できます。
次の文字列の一致する各パターンは、対象バージョン文字列に一致します。

"Build V604_10072003NP"
パターン一致の説明
Build V604_10072003NP「Build V604_10072003NP」
*ワイルドカードの一致
Build V604_1+072+03NP「+0」は、「00」に一致します。
??????V604???????????? は、任意の文字に一致します。
+? V604_10072003NP"+?" は、「Build」に一致します。
Build V604_+{0-9N}NP「+{0-9N}」は、末尾の「10072003NP」に一致します。
*V604_+{0-7}NP「_+{0-7}」は文字列「10072003」に一致します。
*V604_10072003+{N-P}「{N-P}」は「NP」に一致します。
+{A-Za-z} V604_+{0-7}NP「+{A-Za-z}」は「Build」に一致します。
Build V604_+{0-7}NP「0-7」は「10072003」に一致します。
Build V604_10072003+{!0-9 }「+{!0-9 }」は、数字を含まない任意の文字列に一致します。
Build V604_+{!A-Z}NP「_+{!A-Z}」は、A から Z までの任意の文字 (両端を含む) を含まない任意の文字列に一致します。
関連項目