クラスタ


サーバー可用性限界値を選択する
クラスタでワークロードを均衡させる際には、各サーバーでサーバー可用性限界値を設定することが重要なポイントになります。設定したサーバー可用性限界値が高すぎると、不必要なフェイルオーバーが発生することになります。また可用性限界値が低すぎると、パフォーマンスの低下を招き、別のサーバーに切り替えたほうが良好なパフォーマンスが得られることになります。

サーバー可用性限界値の適正値を決定するには、次の操作を実行します。

1 負荷が通常の値から大きな値の範囲にある期間では、次の方法のいずれかを使用して、サーバー可用性インデックスを確認します。

2 上で確認した結果を基にして、初期可用性限界値を設定します。この値を設定するときには、次の点に注意してください。 3 他のクラスタ統計を調べて、ワークロードが適切に均衡しているか確認します。次の表に、ワークロードが均衡しているか確認する際に役立つ統計をいくつか示します。
統計名説明
Server.AvailabilityIndexサーバー可用性インデックスの現在値。値は、0 から 100 までの範囲内になります。0 の値は、サーバーで使用可能なリソースがないことを示します。100 の値は、サーバーが完全に使用可能であることを示します。
Server.ExpansionFactor現在の拡張係数。この数値は、可用性インデックスの計算に使用します。値 1 は、サーバーがそのサーバーの最短時間でトランザクションを完了していることを示します。64 の値は、トランザクションの完了に最短時間の 64 倍の時間がかかることを意味します。デフォルトでは、拡張係数 64 は、全負荷がかかっているサーバーであることを示し、可用性インデックスが 0 になります。NOTES.INI 設定 Server_Transinfo_Range を使用して、全負荷がかかっているサーバーを示す拡張係数を変更できます。

Show AI サーバーコマンドを使用すると、可用性インデックスの推奨値を取得できます。

Server.Cluster.OpenRedirects.LoadBalance.Successfulビジー状態のサーバーが、別のクラスタメンバーにクライアントを正常にリダイレクトした回数。
Server.Cluster.OpenRedirects.LoadBalance.Unsuccessfulビジー状態のサーバーが、別のクラスタメンバーにクライアントをリダイレクトできなかった回数。リダイレクト先のサーバーがビジー状態であるなどで使用できない場合に、サーバーはリダイレクトに失敗します。
Server.Cluster.OpenRequest.ClusterBusyすべてのクラスタサーバーがビジー状態にあるときに、ビジー状態のサーバーが、クライアント要求のリダイレクトを試行した回数。
Server.Cluster.OpenRequest.LoadBalancedサーバーがビジー状態にあるときに、ユーザーがそのサーバーのデータベースを開こうとした回数。

4 クラスタにある全サーバーについて、これらの統計を比較します。

5 ワークロードが均衡していないと思われるサーバーで、サーバー可用性限界値を調整します。

メモ 企業にとっては、ワークロードの均衡が十分なコンピュータリソース割り当ての代わりになるわけではありません。使用しているサーバーがすでに過負荷になっている場合は、ビジー状態のサーバーがクライアント要求を送信する余地が存在しないため、ワークロードの均衡を行っても単に問題が拡大するだけです。つまり、使用可能なサーバーを検索する処理のため、すでにビジー状態にあるサーバーのパフォーマンスがさらに低下します。

サーバーコマンド Show AI については、「Show AI」を参照してください。

関連項目