インストール
Lotus Domino のパーティションサーバーでは、すべてのパーティションで 1 つの Lotus Domino プログラムディレクトリを共有します。つまり、すべてのパーティションで同じ Lotus Domino 実行ファイルのセットを共有することになります。ただし、Domino データディレクトリと NOTES.INI ファイルはパーティションごとにあり、したがって Domino ディレクトリとその他の管理データベースについては、パーティションごとにコピーが作成されます。
あるパーティションサーバーがダウンした場合でも、他のサーバーの動作には影響しません。パーティションで致命的なエラーが発生した場合、Lotus Domino の障害復旧機能は、コンピュータ全体ではなく、そのパーティションのみを再起動します。
障害復旧の設定については、「障害復旧」の項目を参照してください。
パーティションサーバーを使用すると、セキュリティと同時に、必要に応じたスケーラビリティも確保できます。システムの拡張にしたがって、あるパーティションのユーザーを別のサーバーに移行できます。データベースの高度な可用性が必要な場合には、パーティションサーバーをクラスタメンバーにすることもできます。パーティションサーバーのセキュリティは単独のサーバーと同じです。
パーティションサーバーを設定する際は、各パーティションで必ず同じバージョンの Lotus Domino を実行するようにします。ただし、サーバーが UNIX(R) 上で実行される場合は、サーバーで Lotus Domino の複数のインスタンスを実行するための別の方法があります。UNIX では、1 台のコンピュータで異なるバージョンの Lotus Domino を実行できます。この場合、各バージョンごとにプログラムディレクトリがあります。さらに、各バージョンを Lotus Domino パーティションサーバーとしてインストールすれば、それぞれの複数のインスタンスを実行することも可能です。
詳しくは、「UNIX システムに Lotus Domino をインストールする」の項目を参照してください。
パーティションサーバーを使用するかどうかを決定するパーティションサーバーを使用するかどうかは、Lotus Domino ドメインの設定方法によっても左右されます。パーティションサーバーは、それぞれのパーティションが別々の Lotus Domino ドメインに属する場合に最も役に立ちます。たとえば、パーティションサーバーを使うと、顧客ごとに専用の Lotus Domino ドメインを用意したり、複数の Web サイトを設定することができます。すべてのパーティションが同じ Lotus Domino ドメインにあるパーティションサーバーでは、1 台のサーバーで複数のサービスを実行する場合に比べて、より多くのコンピュータリソースとディスク容量を消費することがよくあります。 パーティションサーバーを使用するかどうかを決定するにあたっては、複数のパーティションを管理するよりも 1 台のサーバーを管理するほうが簡単であることを念頭に置いてください。ただし、ネットワーク上で特定のサーバー機能を分離させたい場合 (たとえば、メッセージングハブを複製ハブから分離する場合やリソース用のワークグループと Activity Logging を分離する場合など) は、付加的な管理作業が発生するとしても、パーティションサーバーを使用するほうがよいこともあります。また、マルチプロセッサコンピュータでパーティションサーバーを実行すると、パーティションがすべて同じドメインにある場合にさえ、パフォーマンスが向上することがあります。これは、この種のコンピュータでは特定のプロセスが同時に実行されるためです。
Lotus Notes ユーザーが、Lotus Domino アプリケーションを自分で作成および実行できる Lotus Domino Server にアクセスできるようにするには、パーティションサーバーを使用します。ただし、顧客がインターネットを通じて特定の Lotus Domino アプリケーションのセットにアクセスできるようにするには、xSP サーバー環境を設定します。
パーティションの数を決定するパフォーマンスをそれほど低下させずにインストールできるパーティションの数は、コンピュータの性能と使用するオペレーティングシステムの種類によって異なります。最適なパフォーマンスを実現するには、各パーティションに対して少なくとも 1 つ、できれば 2 つのプロセッサを持つマルチプロセッサコンピュータをパーティショニングします。 関連項目