MAIL
業務に適用される法律や規則に従うために、組織がローカルメールシステムで処理されるすべてのメッセージのコピーを永続的に保管するか、メッセージのコピーを処理が必要な場合があります。たとえば、米国証券取引委員会 (SEC) などの政府機関では、処理したトランザクションに関連するすべてのメッセージを保持することを企業に要求しています。
メールジャーナルにより、管理者は、ルーターが処理する特定のメッセージのコピーを IBM(R) Lotus Domino(R) システムで取得することができます。ジャーナルで、ルーターが処理したすべてのメッセージを捕捉することも、特定の条件を満たすメッセージのみを捕捉することもできます。メールジャーナルを有効にすると、メッセージは MAIL.BOX を通過するときに調べられ、選択したメッセージのコピーが、Lotus Domino メールジャーナルデータベース (MAILJRN.NSF) に保存され、後で検索して調べることができます。メールジャーナルはメールルールとともに機能するため、ジャーナルルールを作成してジャーナルに記録するメッセージの基準を指定します。たとえば、特定のユーザー、グループ、またはドメインで送受信されたメッセージをジャーナルに記録できます。メッセージは、メールジャーナルデータベースに保管される前に、ルーターによって暗号化され、権限を持つユーザーだけがメッセージを調べることができるようにします。ジャーナルによって通常のメッセージの配信が妨げられることはありません。ルーターは、メールジャーナルデータベースにメッセージをコピーした後、目的の受信者にそのメッセージを配信します。
Lotus Domino メールジャーナルは、メッセージアーカイブとは異なります。ジャーナルは、動的に動作し、メッセージが MAIL.BOX を通過してその配信先に渡されるときに各メッセージのコピーが作成され、メールジャーナルデータベースにそのコピーが入れられます。受信者または受信者のメールファイル上で動作しているエージェントが配信されたメッセージを直ちに削除しても、メッセージのコピーは保持されます。アーカイブは、ある場所のメッセージを削除するか、通常は別の場所にある長期保存するためのオフラインデータベースに移動することによって、アクティブなメールファイルデータベースのサイズを減らすために使用されます。アーカイブは、すでに配信されたメッセージに対して実行されます。ジャーナルはサーバーによって自動的に実行されますが、アーカイブは手動で実行され、エンドユーザーが各自のメールファイルに対して実行します。メールファイルアーカイブのメッセージはエンドユーザーが検索し取得できますが、メールジャーナルデータベースを調べられるのは権限がある管理者だけです。
サードパーティのアーカイブプログラムとともに Lotus Domino メールジャーナルを使用すると、長期の保存が可能になります。
特定のジャーナルルーチンへのアクセスを提供するために、Lotus Domino にはいくつかの拡張マネージャ (EM) フックが実装されています。EM フックによって、ダイナミックリンクライブラリや共有オブジェクトライブラリなどの実行可能プログラムライブラリは、Lotus Domino が選択された内部操作を実行した前、後、または前と後に呼び出されるコールバックルーチンを登録できます。EM フックを使用すると、開発者はメールの処理をカスタマイズできます。たとえば、Journaling タスクへの EM フックをサードパーティ製アーカイブプログラムとともに使用して、特定のメッセージをアーカイブセンターに直接配信できます。拡張マネージャについて詳しくは、Lotus Domino/Notes の IBM Lotus C API Toolkit を参照してください。このツールキットは http://www.lotus.com/capiで入手できます。
メールジャーナルを設定するジャーナルを設定するには、2 つの手順があります。