モニタリング


サーバーを撤去する
既存のサーバーを統合したり、サーバーを撤去したりするときは、撤去サーバー分析ツールを使用します。2 つのサーバーを 1 つに統合しても、サーバーの名前を変更しても、結果は同じで、以前のサーバー名が新しいサーバー名に置き換えられます。この分析ツールは、IBM(R) Lotus Domino(R) Server に対するサービスの喪失を防いだり、撤去の「作業項目」チェックリストの基礎を作成したりするのに役立ちます。サーバー分析ツールの役割は、撤去サーバーと受け入れサーバーの責任を比較し、サービスが喪失する原因になりかねない差異に関して報告することです。

撤去サーバー分析ツールを実行すると、撤去サーバーと受け入れサーバーの詳細な比較情報が保存されたデータベースが作成されます。撤去サーバーは撤去されるサーバーで、受け入れサーバーは撤去サーバーに置き換わるサーバーです。撤去サーバーと受け入れサーバーは、階層名を持ち、同じドメイン内にある Lotus Domino Server でなければなりません。

撤去サーバーと受け入れサーバーの差異は結果データベースでマークされ、サーバーを撤去する前に実行しなければならない管理タスクについて注意を促します。撤去サーバー分析ツールが行う比較は、それぞれが多少とも独立しています。分析項目間の関係は、このツールによっては決定されません。そのため、各レポートを検証し、独自の比較を行ってから対処する必要があります。一度に実行できるのは、2 つのサーバー間の比較だけです。サーバーを撤去する前にすべての差異を解決しておく必要はありません。

サーバーを撤去する前の作業サーバーを撤去する前に、次のような種類の管理タスクを実行しなければならないことがあります。

撤去サーバーの分析レポートを実行するには 1 撤去サーバー分析ツールを使用するには、撤去サーバーと受け入れサーバーの両方に対する [管理者] アクセス権が必要になります。
2 Lotus Domino Administrator で [サーバー] - [分析] タブをクリックします。

3 ツールペインで [分析] - [サーバーの撤去] を選択します。

4 次のフィールドに必要な情報を設定します。
フィールド設定
撤去するサーバー撤去されるサーバーの名前
撤去サーバーを受け入れるサーバー撤去されるサーバーに置き換わるサーバーの名前
結果データベースデフォルトのファイル名 DECOMSRV.NSF を使用しない場合の結果データベースの名前とロケーション。次のフィールドに入力します。
  • Server
  • 称号
  • ファイル名
  • フォルダ
このデータベースに追加する(デフォルト) 既存のデータを削除しないで、結果データベースの既存の情報の最後に新しいレポートを追加します。
このデータベースに上書きする既存のデータベースに上書きして新しい結果データベースを追加します。
5 [OK] をクリックします。


メモ 分析レポートは、同じデータベースにも、異なるデータベースにも複数作成できます。その後でそれらのレポートを使って、2 つのサーバー間の差異が解消され、撤去サーバー分析ツールの実行時にシステムが検出できないことを確認します。レポートは、希望する回数だけ繰り返し実行できます。

結果データベースのレポートを表示する撤去サーバー分析ツールは、解析された項目の分類リストを生成します。カテゴリはそれぞれ、サーバーの設定についての注意を要するさまざまな側面を表わします。各カテゴリでは、項目がアルファベット順に表示されます。項目ごとに撤去サーバーと受け入れサーバーの設定や値の差異が表示されます。結果データベースで、解析された項目の分類リストを表示できます。

各項目は文書によって表現されます。文書の状態は、文書の左のアイコンによって次のように示されます。
アイコン説明
比較の実行時に検出され、管理者が注意する必要のある差異
比較を実行したときか、それを試みたときにエラーが発生しました。
アイコンなし比較されたフィールドが同じであるか、またはソースの値がターゲットの値の完全なサブセットであるため注意は不要です。
文書をクリックして開き、作成された実際のレポートを表示します。レポートのサンプルを次に示します。

レポートのフィールド説明
Report category文書が属するセクション、すなわちカテゴリ。設定できるカテゴリは次のとおりです。[証明書]、[クラスタ]、[接続]、[データベース]、[ドメイン]、[インターネット]、[その他]、[ネットワーク]、[プログラム]、[セキュリティ]、[SMTP とルーター] などです。
Report title分析対象の特定のフィールドや項目 -- 例: [データベース - Mail Users] や [データベース - No Matching Replica]
Report dateレポートの作成日
Server to be decommissioned (source server)撤去されるサーバーの名前
Server to accept responsibility (target server)撤去されるサーバーから責任を引き継ぐサーバーの名前
Errorsこの項目やフィールドの分析中に発生したエラー。このフィールドは、エラーが発生しなかった場合は表示されません。
Report details撤去サーバーと受け入れサーバー間の問題や不一致を示す情報

レポートの比較2 つのサーバー文書と設定文書の間で、次のような種類のフィールド比較が行われます。
フィールド比較説明
ブール値比較される 2 つのフィールドの内容は完全に一致しなければなりません。撤去サーバーのフィールドが未設定の場合には、受け入れサーバーの値との比較は行われません。
数値2 つのフィールドが比較され、差異が報告されます。
テキストのリスト2 つのテキストリストが比較され、ソースがターゲットの完全なサブセットでない場合には、レポートが作成されます。
名前のリスト両方のリストを単一エントリのレベルまで展開して比較し、重複を削除します。ソースがターゲットの完全なサブセットでない場合には、レポートを作成します。名前リストを展開するときには、単一のエントリだけが残るまで、すべてのグループが繰り返し展開されます。
特殊場合によっては、空白のフィールドが特別な意味を持つことがあります。このような場合には、フィールドごとに空白が解釈され、比較の実行時に考慮に入れられます。
次の文書が比較されます。
文書の比較説明
接続文書接続文書で、撤去されるサーバーを送信側サーバーとして指定しているすべての接続で比較が行われます。比較によって、これらの接続におけるすべての受信側サーバーが、ターゲットのサーバーの接続文書に含まれることが確認されます。タスクが違っていたり、対応する接続が存在しない場合には、レポートが作成されます。

撤去されるサーバーが受信側サーバーと指定されているすべての接続が報告されます。

プログラム文書プログラムの実行サーバーとして撤去サーバーをリストしているすべてのプログラム文書がレポートに含まれます。ソースとターゲットのプログラム文書間の比較は、ソースとターゲット間での実行ファイルの存在やその同一性を確保できないので、行われません。
ドメイン文書すべての外部ドメイン文書をチェックして、ゲートウェイサーバー名で撤去サーバーがリストされているかどうかを確認します。リストされている場合には、レポートが作成され、ソースをリストしている外部ドメイン文書を示します。
相互認証[認証発行者] フィールドで撤去サーバーをリストしているすべての相互認証が報告されます。
データベースでは、次の比較が行われます。
データベースの比較説明
メール受信データベース、会議室、リソース、認証者、ユーザー文書撤去サーバーをメールサーバーとしてリストしている各文書が報告されます。
レプリカ対応するレプリカが受け入れサーバーに存在しない、撤去サーバーのあらゆるデータベースが報告されます。

ターゲット上にレプリカが存在しないすべてのデータベースでファイル名の比較が行われます。ターゲット上の別のデータベースと名前が競合しているデータベースがリストされます。

ネットワークでは、次の比較が行われます。
ネットワークの比較説明
有効なポートポート名とプロトコルの両方で比較が行われます。差異が存在する場合には、レポートが作成されます。
Lotus Notes 名前付きネットワーク撤去サーバーと受け入れサーバーが、同じ Lotus Notes 名前付きネットワークを共有していない場合には、レポートが作成されます。

関連項目