MAIL
ディスク容量をより効率的に使用するには、Lotus Domino メールシステムを設定した後に、各メールサーバーに共有メールを設定します。共有メールは、単一コピーオブジェクトストア (SCOS) とも呼ばれ、メッセージベースのメールに代替方法を提供することにより、特別な中央データベース、つまりオブジェクトストアの複数の受信者が受信するメッセージの単一コピーをサーバーが保存できるようになります。共有メールを使う各サーバーには、これらのオブジェクトストア、つまり共有メールデータベースが 1 つ以上あり、すべての共有メッセージを保管します。サーバーで共有メールを使用できるようにすると、明示的に特定のデータベースを共有メールの使用から除外しない限り、そのサーバーのすべてのメールデータベースで自動的に共有メールデータベースを使って新規メッセージの内容が保存されます。共有メール用に各ユーザーのメールファイルを個別に設定する必要はありません。
共有メールが使用可能で、1 つの受信メッセージが複数のローカル受信者に宛てられている場合、ルーターはメッセージをメッセージヘッダーとメッセージ本文に分割します。ヘッダーは、メッセージの [宛先]、[CC]、[BCC]、[件名]、[送信者] の各フィールドで構成されています。本文はテキストとその他の内容で構成され、添付ファイルが含まれる場合もあります。次にルーターはメッセージ本文を共有メールデータベースに、メッセージヘッダーを各受信者のメールファイルに書き込みます。共有メールデータベースに保存されるメッセージ本文には、このメッセージにリンクされているメールファイルすべてを識別するオブジェクトストアリンクが含まれます。同様に、各受信者のメールファイルに保存される対応するメッセージヘッダーにはそれぞれ、メッセージ本文が格納されているオブジェクトストアへのポインタが含まれます。
共有メールデータベースの容量を小さく保つため、すべての受信者が自分のメールファイルからメッセージを削除した後に、Lotus Domino はメッセージの共有部分を共有メールデータベースから自動的に削除します。Lotus Domino は、これらの不要メッセージの共有部分を即座に削除するので、メッセージを削除するためにタスクが実行されるまで待機する必要はありません。
効率の向上と暗号化のサポートのために、Lotus Domino はオブジェクトストアから一定のメッセージを除外します。ユーザーは 1 KB より小さいメッセージを常に完全なメッセージとして受け取ります。これによって、メールファイル内のメッセージポインタが、共有メールデータベースのメッセージ本文のサイズを超えることがなくなります。また、ユーザーのユーザー文書で受信メールの暗号化が指定されている場合は、ユーザーは常に完全なメッセージを受け取ります。
ユーザーは共有メールデータベースを使っていることを意識せずに済みます。受信者がメッセージを開く場合、メールファイルと共有メールデータベースの間のリンクにより、メッセージの全文が表示されます。ユーザーは、共有メールデータベースに保存されているメールメッセージに対しては、削除、返信、ビューやフォルダの変更、編集、保存、再送信など、ユーザー各自のメールファイルに保存されているメッセージに対する場合と同じ操作をすべて実行できます。ユーザーがメッセージを編集して保存、または暗号化して保存する場合は、完全なメッセージが個人メールファイルに保存され、他のユーザーに対する元のメッセージの表示方法には影響を与えません。
メッセージの作成に使用したメールクライアントに関係なく、すべてのメッセージに対して共有メールを使用できます。つまり、POP3、IMAP、IBM(R) Lotus Notes(R) など、どのようなメールクライアントを使用していても、Lotus Domino メールサーバーにメールファイルがあれば、どのユーザーも共有メールを利用できます。ただし、受信メールの形式が受信者によって異なる場合、共有メールは使用できません。たとえば、あるメッセージが 4 人のユーザーに送信され、そのうち 2 人のユーザーは優先する形式に Lotus Notes のリッチテキスト形式を設定しており、残りの 2 人は MIME 形式を設定している場合、すべてのユーザーは完全なメッセージを受信します。
関連項目