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MIME タイプをファイル拡張子にマッピングする
IBM(R) Lotus Domino(R) は、Domino ディレクトリのファイル識別文書を使用して、ファイルの種類とそのファイル名の拡張子を MIME タイプとサブタイプに関連付けます。たとえば、JPEG ファイルのファイル識別文書では、jpg という拡張子を持つファイルを MIME タイプ image と MIME サブタイプ jpeg を持つファイルとして分類します。Lotus Domino Server と IBM(R) Lotus Notes(R) Client は、ファイル識別文書を使用して、インバウンドメールの場合はファイルの種類をファ

イル拡張子に、アウトバウンドメールの場合はその逆にマッピングします。

これにより、受信側のメールクライアントで添付ファイルの内容を正しく変換できるようになります。MIME 対応メールプログラムでメールを開くと、受信者はメール内から添付ファイルを開くことができます。ただし、これには、メールプログラムが MIME タイプを認識し、受信側のコンピュータに関連アプリケーションがインストールされていることが前提となります。

Domino ディレクトリでファイル識別文書を追加、修正、または削除できます。別のファイルの種類をサポートできるようにするには、新規文書を追加します。新規のファイル識別文書を追加する場合、アプリケーションの MIME タイプとそのアプリケーションに関連するファイル拡張子を知っておく必要があります。デフォルトのマッピングが間違っている場合、または MIME 規格に変更があった場合は、ファイル識別文書を更新します。ファイル識別文書を編集して、アウトバウンドメールの送信時、指定のファイル拡張子を持つファイルに Lotus Notes と Lotus Domino が割り当てる複数の MIME タイプとサブタイプのいずれかを指定することもあります。

インバウンドメールの処理時に Lotus Domino がファイル識別文書を使用する仕組み
添付ファイルのあるインバウンド MIME メッセージを受信するとき、Lotus Domino は MIME ヘッダーを読み取って添付ファイルの名前と種類を判別します。ただし、MIME ヘッダーに添付ファイルの名前が指定されていない場合、Lotus Domino は文書内で固有で、適切なファイル拡張子を含む名前をファイルに割り当てる必要があります。ファイル名の作成に使用するファイル拡張子を決定するために、Lotus Domino は Domino ディレクトリのファイル識別文書を参照します。

たとえば、Microsoft Word 添付ファイルを含むことを示す MIME ヘッダー (MIME タイプ/サブタイプが application/ms-word) を持つメッセージを Lotus Domino が受信し、content-type ヘッダーと content-disposition ヘッダーのどちらもファイル名を指定していない場合、サーバーが添付ファイルの名前を指定する必要があります。Lotus Domino がこの種類のファイルに適切なファイル拡張子を使用して名前を作成できるようにするために、サーバーは Domino ディレクトリでこのファイルのタイプとサブタイプのファイル識別文書を調べ、一致した文書の [拡張子] フィールドを調べます。デフォルトでは、MIME タイプが application/ms-word のファイルと一致する文書のみが、そのファイルが拡張子 DOC を使用することを示すため、Lotus Domino はこの拡張子を使用してファイル名を作成します。

デフォルトでは、Domino ディレクトリの [ファイル識別] ビューに、指定された MIME タイプ/サブタイプに対してファイル拡張子ごとに複数の文書がアルファベット順にリストされます。たとえば、デフォルトでは、Lotus Domino に、MIME タイプ/サブタイプ application/vnd.lotus-1-2-3 に対していくつかのファ

イル識別文書が含まれ、デフォルトビューに拡張子 123 を指定する文書から不明の拡張子 WK2、WK3、WK4、および WKS を指定するものまでが上から順にリストされます。このリストの順序で、これらの MIME タイプの 1 つで名前がない添付ファイルを含むメッセージを受信したときに Lotus Domino がそのファイルに名前を付ける方法が決まります。ファイル名を作成するときは、ビューにアルファベット順で最初に表示される文書の情報が使用されます。したがって、MIME タイプ/サブタイプ application/vnd.lotus-1-2-3 で名前のない添付ファイルを含むインバウンドメッセージを受信すると、Lotus Domino はそのファイルに拡張子 123 を使用して名前を付けます。これは、[ファイル識別] ビューで、同じ MIME タイプ/サブタイプを記述する他の文書の前に、この拡張子を指定する文書がリストされているためです。

アウトバウンドメールの処理時に Lotus Domino がファイル識別文書を使用する仕組み
Lotus Domino Server と IBM(R) Lotus Notes(R) Client は、添付ファイルが設定された MIME メッセージを送信するときにファイル識別文書を使用します。どちらの場合も、文書の情報は添付ファイルの MIME コンテントタイプを指定するために使用されます。

Lotus Domino Server は、添付ファイルを含むメッセージを SMTP で送信するために Lotus Notes リッチテキスト形式から MIME 形式に変換するときにファイル識別文書を使用します。添付ファイルを含むアウトバウンドメッセージを変換するときに、Lotus Domino は最初に添付ファイルのファイル拡張子に対応するファイル識別文書を検索します。適切な文書を見つけると、Lotus Domino はその文書の MIME タイプとサブタイプ情報を使用して、添付ファイルを記述するメッセージパートに MIME Content-type ヘッダーを作成します。

Lotus Notes Client は、MIME 形式で送信するメッセージにファイルを添付する場合 (たとえば、インターネット受信者やメール保存形式を MIME に設定した Lotus Notes メール受信者にメールを送信する場合)、最初にオペレーティングシステムを調べてどのようなファイルの関連付けが定義されているかを判別します。Microsoft Windows 上で稼動しているクライアントでは Windows レジストリを調べ、Macintosh 上で稼動しているクライアントでは Internet Config を調べます。クライアントがこれらの情報源で MIME タイプ情報を見つけられない場合、Domino ディレクトリで添付ファイルと同じ拡張子を持つファイルに該当するファイル識別文書を調べます。適切な文書を見つけると、クライアントはその文書からの MIME タイプとサブタイプ情報を、添付ファイルを記述する MIME ヘッダーに配置します。

サーバーとクライアントのどちらの場合も、1 つのファイル拡張子に適用されるファイル識別文書が複数ある場合、文書の [アウトバウンド] フィールドの設定で、メールを送信するときにこの拡張子が付いた添付ファイルに割り当てる MIME タイプとサブタイプが決まります。

ファイル識別文書を作成、編集するには 1 Lotus Domino Administrator で、[設定] タブをクリックし、[メッセージング] ビューを展開します。
2 [ファイル識別] をクリックします。

3 新規のファイル識別文書を追加するには、[ファイル識別の追加] をクリックします。


4 次のフィールドに必要な情報を設定します。
フィールド説明
MIME タイプこのコンテントタイプまたはメディアのファイルの記述に使用される一般的な MIME カテゴリ (application、audio、image、video など)。MIME メッセージで添付ファ

イルを送信するときに、このフィールドの情報が MIME Content-type ヘッダーに配置されます。

各 MIME タイプ/サブタイプの組み合わせは、ファイル拡張子にマッピングしないことも、1 つ以上のファイル拡張子にマッピングすることもできます。

MIME サブタイプこのコンテントタイプのファイルを作成したアプリケーションを一意に識別する特定の MIME カテゴリ (X-Lotus-NSF など)。MIME メッセージで添付ファイルを送信するときに、このフィールドの情報が MIME Content-type ヘッダーに配置されます。

各 MIME タイプ/サブタイプの組み合わせは、ファイル拡張子にマッピングしないことも、1 つ以上のファイル拡張子にマッピングすることもできます。

ファイル拡張子この種類のファイルに関連付けられている Microsoft Windows または UNIX ファイル名の拡張子 (JPG、BMP、NSF など)。

Domino ディレクトリには、1 つのファイル拡張子に対して複数のファイル識別文書を含めることができます。

インバウンドメッセージの MIME ヘッダーに添付ファイルの名前が指定されていない場合、Lotus Domino はこの拡張子を使用して添付ファイルの名前を作成します。

説明このフィールドでは、ファイルを作成して開くときに使用するファイルのタイプやアプリケーションの名前を指定します。
アウトバウンドDomino ディレクトリに、このファイル拡張子を持つファイルに対して複数のファイル識別文書がある場合、この設定は、それらの添付ファイルの送信に Lotus Notes および Lotus Domino で使用する MIME タイプとサブタイプを指定します。

メモ Lotus Notes Client は、Microsoft Windows レジストリまたは Macintosh Internet Config オブジェクトの設定も使用して、特定のファイル拡張子に関連付けられた MIME タイプとサブタイプを判別します。

次のいずれかを選択します。

  • [送信] - アウトバウンドメッセージをMIME 形式で送信するときに、Lotus Domino はこの文書で指定されたこの MIME タイプとサブタイプを、このファイル拡張子を持つ添付ファイルに割り当てます。指定のファイル拡張子に対して複数のファイル識別文書がある場合、このオプションは 1 つの文書でのみ選択してください。指定のファイル拡張子に対する複数のファイル識別文書で、このフィールドの値が [送信] に設定されている場合、Lotus Domino は [ファイル識別] ビューに最初にリストされた文書を使用して、その拡張子が付いた添付ファイルの MIME 情報を設定します。
  • [送信しない] - アウトバウンドメッセージを MIME 形式で送信する際、Lotus Domino は、このファイル拡張子を持つ添付ファイルに、この文書で指定された MIME タイプとサブタイプを割り当てません。指定のファイル拡張子に対して複数の文書がある場合、1 つの文書を除くすべての文書の [アウトバウンド] フィールドでこのオプションを選択してください。
関連項目