LotusScript クラスは、次の 2 つの型を作成できます。

• ベースクラス

  他のクラスが継承できる共通のメンバ変数、プロパティ、メソッドを定義します。

• 派生クラス

  既存のベースクラスを拡張して詳述します。派生クラスは既存のベースクラスの全メンバに対して直接アクセスできます。ただし、派生クラスはメンバ変数、プロパティ、およびメソッドを新たに追加でき、ベースクラスからのプロパティおよびメソッドを再定義することもできます。ベースクラスを変更する必要はありません。たとえば、Account クラスに基づいて SavingsAccount クラスと CheckingAccount クラスを作成できます。

クラス	プロパティ	メソッド
Flight	GateNumber FlightNumber InAir OnGround	TakeOff Land DelayFlight CancelFlight
Car	LicensePlate DriverLicense RentalDate	ServiceCar TransferLocation
Account	CustomerNumber Balance AccountNumber	WithdrawCash DepositMoney MoveMoney

オブジェクトのクラスのインスタンスを参照する変数を、スクリプトで宣言できます。変数はオブジェクト参照変数です。各クラスはクラスのインスタンスによって使われるデータを定義し、そのクラスに適用するプロパティとメソッドの集合を定義します。

クラスの利点
クラスにはアプリケーションのプログラミングを簡単にするいくつかの機能があります。

• クラスは LotusScript の他のデータ型より豊富な機能性を備えています。クラスには定義中のクラスのインスタンスも含むあらゆるデータ型を保持できます。
• クラスは独立型であり、別のアプリケーションでも簡単に同じクラスを使用できます。たとえば、一般的なファイルの入出力機

• Windows API (アプリケーションプログラミングインターフェース) やその他の C-API を呼び出すクラスを作成することにより、プログラミングインターフェースを簡略化できます。ユーザーが操作する必要があるのはクラスのメンバ変数、プロパティ、およびメソッドだけで、Windows や C-API プログラミングの知識は必要ありません。
• クラスライブラリ （クラスのコレクション） を構築すると、クラススクリプトの変更を許可されていない他のアプリケーション開発者もクラスを使えます。このためには、クラスを .LSO ファイルにコンパイルし、Use ステートメントを介してアクセスできるようにします。
• クラスを使用してアプリケーションのツールを作成できます。たとえば、ほとんどの Lotus ソフトウェアに含まれているスペルチェッカーや辞書を、アプリケーションからアクセスできるようにするクラスを作成できます。

ユーザー定義のデータ型とクラス
ベースクラス
派生クラス
Class ステートメント