メールとディレクトリの移行


既存のユーザー文書を更新する
たとえば、cc:Mail MTA により cc:Mail と Lotus Notes の間でメールを共有している環境では、cc:Mail から移行されるユーザーのユーザー文書が、すでに Domino ディレクトリに存在している場合があります。MTA の登録名簿同期化コンポーネントを使用すると、cc:Mail 登録名簿の 1 ユーザーにつき 1 つの Notes ユーザーでないユーザーのユーザー文書が Domino ディレクトリに追加されます。

ユーザーを移行する場合、新しいユーザー文書を作成するよりは、既存のユーザー文書を更新することを推奨します。同じ名前の複数のユーザー文書を作成すると混乱が生じ、セキュリティの面で問題が発生します。間違ってユーザーに 2 つ目のユーザー文書を作成した場合は、どちらかの文書を削除します。

ユーザーを登録する場合、登録プロセスは Domino ディレクトリを検索して、cc:Mail Domino Upgrade Service が移行対象ユーザーに対して作成した文書に一致するユーザー文書を探します。ユーザー文書は [ユーザー名] フィールドにあるエントリで一致するかどうかが判断されます。短縮名のフィールドや名前の各部位のフィールドにあるエントリは無視されます。

登録された Lotus Notes ユーザーの場合、[ユーザー名] フィールドに設定されたユーザー名は Notes の階層名です。これは、ユーザーが属する組織と組織単位 (OU) を表します。cc:Mail MTA が作成したユーザー文書のように、登録されていないユーザーのユーザー文書は階層を持っていません。

cc:Mail ユーザーを移行すると、cc:Mail Domino Upgrade Service によって階層名がユーザー文書に自動的に追加されます。階層名を生成する場合、登録プロセスは cc:Mail の名前を Notes の名前の各部位に変換し、登録時に使用される認証者 ID を基に OU 情報を追加します。[ユーザー登録] ダイアログボックスで Lotus Notes の名前の各部位を編集すると、変更された名前を使用して階層名が作成されます。

cc:Mail の名前を Notes のユーザー文書に追加する
cc:Mail MTA 環境からユーザーを移行する場合、[ユーザーとグループの移行] ダイアログボックスの [移行オプション] リストでは、デフォルトで [cc:Mail ユーザーを Notes のユーザー文書に追加する (cc:MTA には必須)] オプションがオンになっています。このオプションを指定すると、ユーザーの cc:Mail ユーザー名が 2 次エントリとして Notes ユーザー文書の [ユーザー名] フィールドに追加されます。これにより、この名前を使用する、MTA によって作成された既存のユーザー文書を Domino Upgrade Services で検索できます。移行対象のユーザーの cc:Mail ユーザー名が、Domino ディレクトリにある文書のユーザー名と一致する場合、その文書を更新するかどうかを確認するメッセージが表示されます。

一致する文書が複数見つかった場合、登録は失敗し、そのユーザーは登録キューに残ります。Domino ディレクトリで一致する文書を確認し、重複しないように既存のユーザーか新しいユーザーの名前を変更します。たとえば、ユーザーを区別するために名前にミドルネームを追加する必要があるかもしれません。

一致するユーザー文書を更新するときの確認メッセージを表示しない
移行対象のユーザーに対して生成された文書に一致するユーザー文書が、Domino ディレクトリで見つかった場合、デフォルトでは、文書を更新するか、そのユーザーの登録をスキップするかを確認するメッセージが表示されます。一致した文書の更新やスキップを自動的に行うには、次の操作を実行します。

1 ユーザーを登録する準備ができたら、[ユーザー登録] ダイアログボックスの [オプション] をクリックします。

2 [ユーザー登録の詳細オプション] ダイアログボックスで [重複したユーザーを無視] チェックボックスをオンにします。

3 ドロップダウンリストボックスで [アドレス帳エントリの更新] を選択します。

関連項目