ユーザーとサーバーの設定


カレンダーとスケジュール
カレンダーとスケジュール機能を使用すると、他のユーザーの空き時間を調べたり、会議のスケジュールを作成したり、会議室や備品などのリソースを予約したりできます。管理者は、組織の休日や祝祭日も設定できます。Lotus Domino 6 には編集可能な各国の休日文書がデフォルトで用意されています。この情報はユーザーの個人用カレンダーに直接呼び出せます。

カレンダーとスケジュールには、スケジュール管理 (Sched タスク) 、カレンダーコネクタ (Calconn タスク) および空き時間情報システム (Sched タスク、Calconn タスク、nnotes タスクの組み合Calendar and Schedulingわせ) の機能があります。Lotus Domino 6 をサーバー (ディレクトリサーバーは除く) にインストールすると、Sched および Calconn タスクが自動的にサーバーの NOTES.INI ファイルに追加されます。サーバーを初めて起動すると、スケジュール管理により、[空き時間情報] データベース (クラスタ化していないメールサーバーでは BUSYTIME.NSF、クラスタ化したメールサーバーでは CLUBUSY.NSF) が作成されます。また、サーバーやクラスタサーバー内にメールファイルを持ち、カレンダープロフィールの入力を完了した各ユーザーのエントリが、そのデータベースに作成されます。

各ユーザーには個人のカレンダーが用意されています。各ユーザーは、カレンダープロフィールを作成して、自分の空き時間情報にアクセスできるユーザーを特定したり、会議に参加できる時間を指定できます。ユーザーが他のユーザーを会議に招集すると、空き時間システムにより空き時間が参照されます。また、使用可能なリソースについての情報も検索されます。他のサーバーやスケジュール作成アプリケーションの空き時間情報システムを参照する場合は、カレンダーコネクタにより要求が送信されます。ユーザーがカレンダーにスケジュールを作成したり、リソースを予約すると、スケジュール管理タスクにより [空き時間情報] データベースの情報が収集、更新されます。

スケジュール管理は、デフォルトで [空き時間情報] データベースにアクセスできるので、このデータベースの ACL に定義する必要はありません。

クラスタ化した [空き時間情報] データベースを使用する
クラスタ化されたメールサーバーでは、サーバーを初めて起動するときに、スケジュール管理によりクラスタ化された [空き時間情報] データベース (CLUBUSY.NSF) が作成されます。クラスタ化された [空き時間情報] データベースは、[空き時間情報] データベース (BUSYTIME.NSF) と同じように機能します。クラスタ化された各サーバーには、クラスタ化された [空き時間情報] データベースのレプリカが置かれます。クラスタ化された [空き時間情報] データベースには、クラスタ内のサーバーにメールファイルがあるユーザーの情報が保存されます。

それまでクラスタ化されていなかったサーバーをクラスタに追加すると、スケジュール管理によりそのサーバーの BUSYTIME.NSF データベースが削除され、CLUBUSY.NSF が作成されて、他のクラスタサーバーとの間で複製が実行されます。これとは反対に、クラスタからサーバーを削除すると、CLUBUSY.NSF が削除されて BUSYTIME.NSF が作成されます。ユーザーのメールファイルのロケーションが変更されたことをスケジュール管理が確認すると、データベースは有効になります。データベースが有効になるまでは、クラスタからメールサーバーを削除しても、ユーザー情報はそのクラスタ内の [空き時間情報] データベースに残ります。データベースは 1 日 1 回 (午前 2 時に) 有効になり、メールサーバーにメールファイルを追加したり、メールサーバーからメールファイルを削除したユーザーの空き時間情報が更新されます。コンソールで Tell Sched Validate コマンドを使用すると、任意のタイミングで情報を更新できます。

スケジュールをクラスタ化すると、ユーザーのホームサーバーがダウンしている場合でも、常にスケジュール情報が使用できるという利点があります。クラスタ化されていないスケジュールでは、ユーザーのホームサーバーが使用できないときには、[空き時間情報] データベースを検索できません。

クラスタ化されたスケジュールでは、パフォーマンスの向上とサーバートラフィックの軽減が図れるという利点もあります。[空き時間情報] データベースは、クラスタ内の他のメンバーも使用できるため、ユーザーから要求を受けたサーバーは、ユーザーのメールサーバーがクラスタ内にある場合、ユーザーのスケジュール情報を他の [空き時間情報] データベースから検索する必要がありません。

例:会議のスケジュールを作成する
ここでは、会議のスケジュールを作成する方法を説明します。同じドメインのメールサーバーを使用する場合、別々のドメインの場合、他のスケジュール作成アプリケーションを使用する場合について見ていきます。

次の例では、Kathy が空き時間を検索して、Bob、Robin、Susan の 3 人のユーザーとの会議のスケジュールを作成します。Bob は Kathy と同じドメインにいて、Robin は別のドメインにいます。Susan は他のスケジュール作成アプリケーション (Lotus Organizer(R)) を使用しています。

同じドメインのユーザーの場合
1 Kathy は会議の招集を作成して、Bob の空き時間を検索します。

2 Kathy のメールサーバーに空き時間要求が送信されます。

3 空き時間システムは Kathy のメールサーバーにある [空き時間情報] データベース (BUSYTIME.NSF や CLUBUSY.NSF) で Bob の名前を検索します。

4 Bob のユーザー文書により、Kathy の Domino ディレクトリが調べられます。ユーザー文書が見つかると、カレンダーコネクタにより、Bob のメールサーバーに要求が送られます。メールサーバー名は Bob のユーザー文書にリストされています。

5 Bob のメールサーバーの空き時間システムにより、[空き時間情報] データベースが検索され、カレンダーコネクタを使用して Kathy に情報が送られます。空き時間システムが何の情報も見つけられない場合、要求は失敗となり、[空き時間情報] ダイアログボックスには Bob の情報が入手不可能であることが表示されます。

別々のドメインのユーザーの場合
1 Kathy は会議の招集を作成して、Robin の空き時間を検索します。会議招集のアドレス指定で、Robin のドメインを指定します。

2 Kathy のメールサーバーに要求が送信されます。

3 空き時間システムが、Kathy のメールサーバーにある [空き時間情報] から Robin の名前を検索します。そして Robin のメールサーバーが違うドメインにあることを認識します。

4 Kathy の Domino ディレクトリで、Robin のドメインに適した文書が検索されます。

他のカレンダードメインのユーザーの場合
1 Kathy は会議の招集を作成して、Susan の空き時間を検索します。

2 Kathy のメールサーバーに要求が送信されます。

3 空き時間システムは [空き時間情報] データベースで Susan の名前を検索します。空き時間システムが情報を見つけられない場合には、Susan の名前を完全修飾名に変換します。

4 Kathy の Domino ディレクトリから、Susan のユーザー文書が検索されます。

5 空き時間システムは Susan のユーザー文書を調べて、[メールサーバー] フィールドで Susan のメールサーバー名を確認し、[カレンダードメイン] フィールドでカレンダードメイン名を確認します。

6 Susan はスケジュール作成アプリケーションとして Lotus Organizer を使用しているため、空き時間システムでは、メールサーバードメインに適したカレンダードメインが使用されていないと判断されます。カレンダードメインに適した文書が検索されます。

7 空き時間システムは、Susan のカレンダードメインに適した文書として、異種ドメイン文書を選択します。異種ドメイン文書の [カレンダーサーバー経由のルート要求] フィールドで、Susan のドメインの要求を受け入れるサーバー名を特定できます。[カレンダーシステム] フィールドで、Susan のサーバーの空き時間検索を実際に実行するアドインプログラム名 (Organizer や IBM(R) OfficeVision(R)) を特定します。空き時間システムは、[カレンダーサーバー経由のルート要求] フィールドで特定されたサーバーに処理要求を送信します。

空き時間システムが異種ドメイン文書を見つけられない場合、検索は失敗となり、[空き時間情報] ダイアログボックスには Susan の情報が入手不可能であることが表示されます。

関連項目