メール


複数の MAIL.BOX データベースを作成する
Domino メールサーバーは、MAIL.BOX データベースを使って配信や転送待ちのメッセージを保管します。メールクライアントとその他のサーバーは、SMTP または Notes 配信プロトコルを使って MAIL.BOX にメッセージを保管します。各サーバーのルーターは MAIL.BOX 内の各メッセージのアドレスを調べ、メッセージをローカルメールファイルに配信するか、別のサーバーの MAIL.BOX データベースに転送します。

MAIL.BOX に書き込みを行うサーバープロセス (サーバースレッドとルーターを含む) は、MAIL.BOX に排他的にアクセスする必要があります。排他的にアクセスできるようにするために、MAIL.BOX で読み取りまたは書き込みを行うプロセスは、データベースをロックし、他のプロセスからの同時アクセスを防止します。データベースにアクセスしようとする他のプロセスは、現在アクティブなプロセスが完了し、データベースのロックが解除されるまで待機しなければなりません。

多くの場合、メールプロセスによって MAIL.BOX がロックされる時間は一瞬です。ただし、ルーターまたは別のプロセスが大きなメッセージの読み取りまたは書き込みを実行する場合は待機時間が長くなります。たとえばメールトラフィックが多く処理能力に余裕のないシステムなどで新着メールが多数ある場合には、ルーターがメールの読み込みと更新を試行しているときに、いくつかのサーバースレッドがメールを MAIL.BOX に保管しようとすることがあります。負荷が高いと、1 つの MAIL.BOX データベースに対するこのような競合のためにパフォーマンスが低下します。

Domino R5 以降が稼動するサーバーでは、1 つのサーバーに複数の MAIL.BOX データベースを作成するとパフォーマンスが大幅に向上します。MAIL.BOX データベースが複数あると MAIL.BOX に対する競合がなくなり、同時に複数のプロセスでメッセージを処理できるため、サーバースループットが増加します。1 つの MAIL.BOX を読み込むとき、ルーターはデータベースに「使用中」のマークを付けます。メールを保管しようとしている他のサーバースレッドは、このマークを見て保管先を別の MAIL.BOX に変更します。さらに、複数の MAIL.BOX を使用すると 1 つの MAIL.BOX が破損した場合のフェイルオーバーにもなります。

追加の MAIL.BOX データベースを作成する場合、各 MAIL.BOX を別のディスクに配置することを検討してください。MAIL.BOX ではディスクアクセスの競合は問題にならないので、別のディスクに追加の MAIL.BOX データベースを配置してもそれだけでパフォーマンスが向上することはありません。ただし、データベースが複数のディスクに分散されているとディスクエラーが発生した場合に役立ちます。

2 番目の MAIL.BOX データベースを作成すると、1 つの MAIL.BOX を使用する場合よりも大幅にパフォーマンスが向上します。サーバーのメールトラフィックによっては、3 番目、4 番目の MAIL.BOX データベースを作成するとさらにパフォーマンスが向上することがあります。ただし、MAIL.BOX を追加するにしたがって、追加の MAIL.BOX ごとのパフォーマンスの向上率は少なくなります。

MAIL.BOX データベース数は、サーバー設定文書の [ルーター/SMTP] - [基本] タブで指定します。変更したメールボックス数が有効になるのは、サーバーを次に起動した後です。

2 番目の MAIL.BOX データベースを設定したら、メール統計を使用して追加の MAIL.BOX データベースが必要かどうかを判別します。

詳しくは、「サーバーに配置する MAIL.BOX データベース数を決定する」を参照してください。

複数の MAIL.BOX データベースを作成するには
1 設定するサーバーのサーバー設定文書があることを確認します。

2 Domino Administrator で、[設定] タブをクリックし、[メッセージング] セクションを展開します。

3 [設定] をクリックします。

4 メールサーバーか管理する必要があるサーバーのサーバー設定文書を選択し、[サーバー設定の編集] をクリックします。

5 [ルーター/SMTP] - [基本] タブをクリックします。

6 次のフィールドに必要な情報を設定し、[保存して閉じる] をクリックします。
フィールド説明
メールボックス数このサーバー設定文書を使用するサーバーのメールボックス (MAIL.BOX データベース) の数を指定します。このフィールドを空白にすると、1 つのメールボックスが使用されます。最大で 10 個のメールボックスを設定できます。
7 サーバーを再起動して、新しい設定を有効にします。

関連項目